三脚のすすめ
個人的に、撮影するにあたり必要不可欠な道具。
それは、三脚です。
もちろん、三脚なしでも撮影そのものはできます。むしろ、多くの場面で三脚を使わない方が撮影に適していることが多いかもしれません。
それでも、僕が三脚を使う理由は、身体的にも精神的にも自由度が高まるから。
物にもよりますが、カメラってやっぱり重たいです。
旅行先などで気分が上がっていたとしても、首や肩にぶら下げているカメラの重みで疲れてしまうこともあります。
数秒間、数分間のちょっとした撮影では、カメラの重量はあまり問題になりませんが、長時間の撮影で手持ちで撮影し続けるのは、やってみると分かると思いますが、案外ハードな作業です。
例えば、半日以上動き続け、1000枚近く撮影する結婚式のスナップ撮影となると、あくまで僕の経験談ですが、最後には手が痛くなり、さらに、個人的には膝も痛くなります(涙)。
(現実的には、結婚式のスナップ撮影で三脚を使用することはほとんどないと思いますが。)
あるいは、大人数の集合写真撮影とか風景撮影などで水平垂直が必要な場合、手持ちで水平垂直を保って写すことは、仮に訓練を重ねても難しいことです。
また、人物撮影でスナップを主軸に考えると、手持ち撮影の方が有利になることは往々にして多いです。
そうであったとしても、三脚にカメラを乗せれば、片手がフリーになってアイキャッチのための小道具を使えますし、服装のシワや乱れの手直しにスッと歩み寄れますし、一度決めた構図も固定できますし、カメラの調整もサッとこなす事もできます。
何より良いことは、物理的に身軽になったおかげで、気持ちにゆとりが生まれ、集中力が増し、結果的に被写体をよく観察する事ができるようになって、より良い表情を狙うことができる点だと思います。
なんだか言い訳くさくなってしまいましたが、「三脚なんて荷物になるし、別にいらないよね」と思っている写真好きのそこのあなた。
騙されたと思って使ってみてください。きっとその便利さに驚くと思いますよ。
「花と手紙だより」2024年8月9日