BLOG

撮影にまつわることから日常のことまで、徒然と。

活版印刷 workshop RIKKAGAMAさん

「花と手紙だより」2024年9月6日

先日、鹿児島で数少ない活版印刷を用いて紙製品を製作されているworkshop RIKKAGAMAさんのアトリエを見学させて頂きました。

店内に足を踏み入れると、鋳物で作られた手フート印刷機や数え切れないほどの活字が並べられている植字棚など活版印刷の道具、そして、アナログを愛するRIKKAGAMAさんチョイスの品々が並べられ、ずっと見ていても飽きないくらいでした。

色々なお話を伺う中で、スマホやパソコンで文字入力する際のフォントサイズ、例えば10.5ポイントというのは、活字のサイズ規格が元になっているそうで、15世紀にグーテンベルグが活版印刷を発明した遠い過去から現在へと全てが脈々と繋がっているのだなと思うと、なんだかすごく感慨深く感じました。

実際に、活版印刷で名刺作りをデモ体験させてもらいました。必要な活字を植字棚からピンセットを使い慎重に拾い集め、それをRIKKAGAMAさんに手渡して、植字(組版)・印刷機にセット・微調整してもらい、僕はただ印刷機のレバーを下へ押しただけなんですが、見事に素敵な活版印刷の名刺の完成しました。

植字(組版)という作業は、繊細かつ微妙な調整が必要で正確性を求められる大変な作業なんだなと横から眺めていて感じました。活字と活字の配置、バランス、余白をどう生かすセンスが問われる作業は、写真撮影と通ずる部分が大いにあるなとしみじみ感じながら、手際よく作業されるRIKKAGAMAさんの横顔を拝見してました。

デジタルが当たり前の今だからこそ、アナログが持つ心地よさがより身に染みるのだと思います。デジタルのメリットを享受しつつも、それでもアナログに惹かれるのは、温もりや優しさ、余白が含まれているからなのかもしれないですね。

実は、RIKKAGAMAさんとは約10年ぶりの再会だったので、話に花が咲きすぎて、あっという間に日が暮れてしまいました。

ぜひ、皆さんもworkshop RIKKAGAMAさんへ遊びに行ってみてください。おすすめです。


「花と手紙だより」2024年9月6日