純粋な衝動

ボタンさえ押せば写ってくれているということの素晴らしさ。
撮影意図を自覚すらしていない子どもが「よし!今だ」と感じてシャッターボタンを押した純粋な衝動には全くもって敵いません。
かのピカソは次のような言葉を残したと言われています。
「誰でも子供のときは芸術家であるが、問題は大人になっても芸術家でいられるかどうかである」
「ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ」
引用元はwikipediaです。
年齢や経験を重ねると、役立つはずの知識や経験則がかえって邪魔をしてしまうことが往々にあります。
撮影時に臨機応変でいることや柔軟性を常に携えようと意識していたとしても、ファインダーを覗いている間のうちに「ここはこうしよう」とか「こうじゃなきゃダメだ」とか意図を正確に反映しようとする気持ちが心を支配してくることがあります。
その感覚は、大きくて重たいカメラを構えるとより一層増すような気がしますし、そもそもそのためのカメラでもあったりします。
そういう時には、小難しいことを考える必要のない「写ルンです」みたいな押せば必ず写ってくれている気軽なコンパクトフィルムカメラを持って出かけるのも楽しいものです。
道具が変われば気持ちも変わりアウトプットも変わる。いつもと違う風景を見ることも人生には必要なことですね。
「花と手紙だより」2025年10月4日