家族のアルバム

お客様からのとあるご依頼で、ご家族の思い出が綴られた分厚いアルバムを拝見させてもらいました
ページには所狭しと家族の笑顔や日常がずらりと並び
今のスマホカメラで写す感覚と同じで
「いいな」という気持ち優先で、ただただシャッターボタンを押す
今の僕たちと同じような気持ちで
当時のコンパクトカメラを手に小難しい事抜きで
家族の何気ないひとときをたくさん写してきたのでしょう
昭和40年代、50年代に一般的だった写真プリントの白フチが
額縁効果を与え、一枚一枚がより一層生き生きとして見え
長い時間をかけて写真プリントそのものは色褪せようとも
かえって遠い記憶の中の思い出はより色鮮やかに蘇る
忘れていた些細な出来事も
写真を見た瞬間にあれやこれやと思い出される
お客様の家族の歴史が綴られたアルバムを拝見して
とてもしあわせな気持ちになりました
スマホ画面で見ることが当たり前の時代ですが
家族の写った写真は
やっぱりプリントして
手のひらで
アルバムで
じっくりと眺めたい
そう思った良き一日でした
「花と手紙だより」2025年10月13日